間口は広く、アプローチは絞り込む。九州では、“プッシュ型”よりも、“プル型”で
―ここ数年、全国の地域会社の中で、貴社はSCAWの案件をはじめ法人ビジネス全体が活性化し、パワーが溢れているという印象を持っています。和田部長ご自身も現場にいて、“好調感“を実感されているのではありませんか?
和田氏: おかげさまで、弊社は今、元気がいいですね(笑)。
しかし数年前までSCAWの受注については伸び悩んでいたんですよ。NTTデータグループ全体としてSCAWを担ぎ、法人ビジネス部門を伸ばしていくという方針を掲げて展開したものの、首都圏で先行的に実績をあげられているにもかかわらず、“どうして九州だけが”という忸怩(じくじ)たる思いはありました。
そんな中、我々はNTTデータシステムズの力を借りながらDMやセミナーといった地道な活動をくり返していました。すぐに成果はあがらなかったんですが、一昨年前くらいから、お客様に徐々に浸透し「SCAW導入について具体的に検討したい」という話をいただくようになってきたんです。
―地道な営業努力が実を結んできた背景には、どんな要因があると分析されていますか?
和田氏: 九州エリアの景気が、関東・関西エリアより少し遅れて回復してきたのかなと(笑)。地場の中堅・中小企業の財務状況も随分と改善し、IT投資にも資金を振り分ける余裕が出てきた実感がありますね。
また、社内体制面での強化も成果となって表れてきた部分もあると思います。もともと弊社は公共・金融分野に比べ、法人ビジネスを不得手としていました。しかし、「(整理・再編により)独立採算型の会社になったからには、法人向けビジネスの立て直しを図らなければ会社として生き残っていけない」と。そこで、法人向けビジネス部門の組織体制の強化を図りました。
営業スタッフにチーム制を導入し“個人としての評価”“チームとしての評価”を並列して考慮、反映させていくことにしました。チームの中にはDMやセミナーの準備といった“縁の下の力持ち的な存在”がいるもので、前面に出ない彼らのその活動にも適正な評価を与えることが必要だと。その結果、個々のモチベーションを高めることができ、より社内の活性化に弾みがついてきたのではないかと思っています。
こうした要因がうまく関連しあい、一昨年、昨年、今年と順調に業績が推移しているようです。今後ともこの勢いをなんとか維持していきたいですね。
―業績向上をめざした取り組みの中で、特にDMやセミナーに力を入れてこられた理由は何だったのでしょうか?
和田氏: 従来は、営業というと「セールスマンは足を使って稼げ!外へ行って来い!(笑)」という方針でしたが、思うように成果を上げられずにいました。もちろん特定の企業などターゲットが絞られているならいいのですが、交通事情も含めた広域な九州エリアの中で不特定多数の企業を相手にする時に、こうした押せ押せの“プッシュ型”の営業は非効率ではないかと。
そこでDMやセミナーを通して反応のあったお客様を絞りこんで訪問し、ヒット率を挙げるという“プル型”の作戦にシフトすることにしたんです。
―貴社の営業手法は、我々も見習わなければならない点があると思っています。
セミナーは単発でイベントを行うとともに、タイミングが合わないお客様のためにも、毎月同じ場所で継続して製品説明会を行うという両面作戦を採用されていますよね?
和田氏: 定期開催については、お客様にとって「いつどこでセミナーが開催されているか、常に知っている」ということが、間口を広げるための必要条件ですから。こうした手法をはじめ、常に窓口がオープンになっている仕組みづくりに尽力しました。
―DMに関しては、セミナーの案内だけでなく、企業紹介やSCAWなどの製品PRも行ってこられたんですよね?
和田氏: セミナーと同じようにDM配布を継続的に行ってきたのは“九州エリアにおいて、NTTデータという会社の知名認知度が我々の思っている以上に浸透していない”ということを実感したからです。
NTTという名前のイメージが先行していたからなんでしょうね、「電話関連のサービス企業と思っていた」とおっしゃるお客様もいらっしゃいました(笑)。ソフトウエア開発やSIを行っている企業ということを、ご存知ない方が少なくなかった。
今年からは広告づくりのプロと組んでさらにブラッシュアップしたDMにすることにより、よりヒット率を高める工夫にも取り組んでいます。また、興味を持ったお客様の窓口として重要な位置付けとなるホームページは、常に最新の情報が更新されるように、より一層力を入れているところです。
法人ビジネスだからといって“B to B”の考えに捉われず、“B to C”的なアプローチの必要性を感じていますね。
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