―今回のシステム刷新の経緯について教えてください。
―システムおよびベンダー選定のポイントは何だったのでしょうか?
清水氏: 今までお付き合いがあったところ、新規のところを取り混ぜてベンダーさん7社にRFPの説明を行い、提案をお願いしたのですが、もっとも重視したのは、当社に対して熱意を持って取り組んでくれるかという点です。港運業界特有の業務、たとえば関税などの立替金とその中心的な支払方法としての小切手発行といった特殊な会計処理があり、大変難しかったと思いますが、NTTデータ東海さんはその辺りもよくご存知だったことが提案から垣間見られました。また、それまで会計システムというのはどの社の製品も同じようなものだという先入観がありましたが、詳細に見るとSCAWは当社の会計業務にもっとも適合していました。
犬塚氏: コスト面も大きかったです。当社のRFPに対応するために、パッケージ価格の何倍ものカスタマイズ費用を見積もってきたベンダーさんもいましたが、NTTデータ東海さんは、極力コスト増につながるアドオンやカスタマイズを避け、代わる業務の簡素化や効率化を実現する提案をしてくれました。それこそが我々の望んでいることだったのです。
―新物流システムについてはいかがですか?
森内氏: 「AQUA」については、当社の業務をどれだけ理解してくれているかが最大のポイントでした。NTTデータベルSCMソリューションズさんは、「物流システムのプロ集団」と銘打っているとおり、運輸・物流の業務ノウハウもよくご存知で、他のベンダーさんと比べても説明が明解でした。
犬塚氏: 会計と物流のスムーズなデータ連携は「決算早期化」を実現するためにも必要不可欠です。両社ともSCAWパートナー企業なので、コミュニケーションやプロジェクト管理の面でもうまく連携していただけるだろうと期待もありました。
―SCAW導入の成果はいかがですか?
丸山氏: 今年4月からの稼動で、まだ月次決算を2回終了した段階ですが、「グループ企業の決算確定を6営業日で完了するという目標」は無事クリアできました。以前は、部門ごとに各月の数字を確定してから会計に回していたので社内部門勘定の締め切りに約10日かかっていましたが、新システムでは数字が発生した時点で会計でもリアルタイムに把握できるので、3〜4営業日での締め切りが可能になりました。また締め切り後においても、グループの連結決算様式への書換え処理が以前の約半分以下に時間短縮できています。
木村氏: 各部門の方でも、手作業での伝票の照会・確認や二重入力によるトラブルなど煩雑な作業から解放されるので助かっているようです。
―とくにご苦労された点などはありますか?
犬塚氏: グループ決算のため、2007年4月からの稼動という期限を変更できないことが、大きなプレッシャーでしたね。たとえ決算業務ができても、精度が落ちたのでは本末転倒ですから、従来以上の精度を実現して管理会計基盤を整えることも重要な課題でした。そのために、内部統制を見据えた電子承認機能などは考慮しました。また新物流システムでは、業務処理担当と部門勘定処理担当の分離という、従来とは異なる業務処理体系を考え出し、それに対応したシステムとしましたが、現場では従来の処理方法が染み付いてしまっていたため、テスト期間として約半年かけて現場への教育に力を注ぎました。
―AQUAとSCAWの連携はいかがですか?
高木氏: システム間をつなぐEAIツールに、SCAW eTransを使っていますが非常にうまく連携できています。AQUAはもちろん、他の既存システムとSCAWの連携も驚くほどスムーズになり、全社的なトータルシステムとして使えるようになっています。SCAW eTransの存在は現場では全く感じないですね(笑)
森内氏: 各部門でのデータ入力事項が、すべての部署で、必要な分だけ見られるので、現場の負担を軽減しながらデータの一元管理や各作業の進捗状況把握が可能になったことも大きな成果だと思います。
―今後の計画やご要望などをお聞かせください。
犬塚氏: まずは、電子ファイリング・システムによるデータ処理をさらに強力に進めたいと考えています。ペーパーレス化という観点ももちろんです。さらに、重要なデータベースの蓄積によるデータウエアハウス化により、現場のユーザーにも、たとえばデータから営業力や顧客対応力を強化する営業戦略を発想するなど、業務の効率化・スピード化にとどまらないデータの活用を広げていきたいと思います。また2008年10月に予定されている次期NACCS(通関情報処理システム)の稼動に際しては、今回の新システムもそれに合わせた適応修正が必要になってきますので、またご協力をお願いしたいと思います。