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教えて!いけぴぃ先生

第4回 減価償却について

[ 2008.06.10 ]
いけぴぃ先生 それでは、前回までの説明を基に設例を使って、旧定額法と定額法、旧定率法と定率法の計算を比較してみましょう。
神城かも子 よろしくお願いします。



【設例】
取得価額1,000,000円、耐用年数10年の減価償却資産(残存価額 10%)

(1)旧定額法と定額法

償却限度額の算式は以下の通りです。
償却方法 償却限度額の算式
旧定額法 (取得価額−残存価額)× 旧定額法の償却率
定額法 取得価額 × 定額法の償却率
(1)-ア 旧定額法(償却率:0.100)
年数 期首帳簿価額 償却限度額 期末帳簿価額
1 1,000,000 90,000 910,000
2 910,000 90,000 820,000
3 820,000 90,000 730,000
4 730,000 90,000 640,000
5 640,000 90,000 550,000
6 550,000 90,000 460,000
7 460,000 90,000 370,000
8 370,000 90,000 280,000
9 280,000 90,000 190,000
10 190,000 90,000 100,000
11 100,000 50,000 50,000
12 50,000 9,999 40,001
13 40,001 9,999 30,002
14 30,002 9,999 20,003
15 20,003 9,999 10,004
16 10,004 9,999 5
17 5 4 1
(1)-イ 定額法(償却率:0.100)
年数 期首帳簿価額 償却限度額 期末帳簿価額
1 1,000,000 100,000 900,000
2 900,000 100,000 800,000
3 800,000 100,000 700,000
4 700,000 100,000 600,000
5 600,000 100,000 500,000
6 500,000 100,000 400,000
7 400,000 100,000 300,000
8 300,000 100,000 200,000
9 200,000 100,000 100,000
10 100,000 99,999 1

旧定額法では、残存価額が設定されているため、10年経過時においては、100,000円が未償却残高として残ってしまいます。その後、11年目で償却限度額に達します。従来はここまでで償却計算は終わり、5%相当額は帳簿価額として残す必要がありましたが、平成19年度税制改正により、償却限度額に達した翌事業年度より5年間にわたり均等償却が可能となりました。すなわち12年目以降で5年間にわたり、残存簿価1円まで償却計算を実施します。結果として、17年かけて償却計算が行われます。

一方、定額法では、償却限度額及び残存価額の廃止により、10年経過時に残存簿価1円までの償却が可能となるため、早期に多額の償却が可能となります。

(2)旧定率法と定率法

償却限度額の算式は以下の通りです。
償却方法 償却限度額の算式
旧定率法 (取得価額−既償却額)× 旧定率法の償却率
定率法 *A ≧ 償却保証額(取得価額×耐用年数に応じた保証率)
(取得価額−既償却額)× 定率法の償却率・・・A
*A<償却保証額
改定取得価額(注1) × 定率法の改定償却率

(注1) 改定取得価額とは、調整前償却額が、償却保証額に満たないこととなる最初の事業年度の期首帳簿価額をいいます。

(2)-ア 旧定率法(償却率:0.206)
年数 期首帳簿価額 償却限度額 期末帳簿価額
1 1,000,000 206,000 794,000
2 794,000 163,564 630,436
3 630,436 129,869 500,567
4 500,567 103,116 397,451
5 397,451 81,874 315,577
6 315,577 65,008 250,569
7 250,569 51,617 198,952
8 198,952 40,984 157,968
9 157,968 32,541 125,427
10 125,427 25,837 99,590
11 99,590 20,515 79,075
12 79,075 16,289 62,786
13 62,786 12,786 50,000
14 50,000 9,999 40,001
15 40,001 9,999 30,002
16 30,002 9,999 20,003
17 20,003 9,999 10,004
18 10,004 9,999 5
19 5 4 1
(2)-イ 定率法(償却率:0.250、改定償却率:0.334、保証率:0.04448)
年数 期首帳簿
価額
調整前
償却額
償却
保証額
改定取得価額
×改定償却率
償却
限度額
期末帳簿
価額
1 1,000,000 250,000 44,480 250,000 750,000
2 750,000 187,500 44,480 187,500 562,500
3 562,500 140,625 44,480 140,625 421,875
4 421,875 105,468 44,480 105,468 316,407
5 316,407 79,101 44,480 79,101 237,306
6 237,306 59,326 44,480 59,326 177,980
7 177,980 44,495 44,480 44,495 133,485
8 133,485 33,371 44,480 44,583 44,583 88,902
9 88,902 25,028 44,480 44,583 44,583 44,319
10 44,319 18,771 44,480 44,583 44,318 1

旧定率法では、10年経過時に未償却残高がほぼ残存価額に等しくなるように償却率が設定されています。その後、償却限度額に達するまで償却が行われ、償却限度額に達した後は、旧定額法と同様に、5年間にわたり、残存簿価が1円まで償却計算が実施されます。その結果、19年かけて償却計算が行われます。

一方、定率法では、償却限度額及び残存価額が廃止されたため、10年経過時に残存簿価1円まで償却が行われるため、早期に多額の償却が可能となります。

上記設例では8年目において、調整前償却額(133,485円×0.250≒33,371円)<償却保証額(1,000,000円×0.04448=44,480円)となりますので8年目以後の各年は、改定取得価額に改定償却率を乗じた金額(133,485円×0.334≒44,583円)が償却限度額になります。すなわち、一定期間を経過すると定額法的な償却を行うのが、定率法の特徴です。

2. 減価償却の特例
いけぴぃ先生 今までの説明が減価償却に関する基本的な部分となりますが、いかがですか?
神城かも子 償却計算は特に定率法について、非常に計算が複雑になりましたが、全体像のイメージはある程度つかめてきました。そうすると、減価償却資産を取得した場合には、一旦、資産計上した上で減価償却を行う必要があるのですね。
いけぴぃ先生

原則として、その通りです。しかし、税法上、法人税軽減の観点からいくつかの特例が定められているんですよ。

少額減価償却資産の取得価額の損金算入

法人の取得した減価償却資産で次のいずれかに該当する場合には、その事業の用に供した日の属する事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金算入することができます。

(1)その使用期間が1年未満であるもの
(2)その取得価額が10万円未満であるもの

一括償却資産

取得した減価償却資産で取得価額が20万円未満であるものを事業の用に供した場合には、その資産の全部又は特定の一部を一括したもの(一括償却資産)の取得価額の合計額を原則として、3年間で損金の額に算入することを選択することができます。

したがって、10万円未満の資産を取得した場合には、全額を損金算入することも一括償却資産として3年間で償却することもできます。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

青色申告法人で中小企業者等(資本金が1億円以下で一定の要件をみたす法人 等)が平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、合計金額が300万円に達するまでの金額について損金算入が認められています。



以上の各特例について、損金算入可能な範囲をまとめると次のようになります。

資産計上 一括償却資産 全額損金処理
10万円未満
10万円以上
20万円未満
20万円以上
30万円未満
×
    ↓↓↓
中小企業者等で取得価額の合計額が
300万円に達するまでの金額
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