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ERPコラム

投資家とのコミュニケーション
〜ディスクロージャー制度とInvestors Relations(IR)〜 

前川 南加子
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第6回(全20回)
2.新しいディスクロージャー:ビジネス・レポーティング

近年、ディスクロージャー制度の改正が相次いでいますが、企業を取り巻く経済環境が激変するなかで、本当に現在の制度が投資家のニーズに合っているかを再度検討してみることは重要です。ここでは、アメリカで行われた調査結果をもとに、これからの情報開示制度の方向性を考えてみます。

(1)情報利用者志向のディスクロージャーの勧め

良い情報開示とは、コンテンツ(提供する情報の内容)が信頼でき、投資家のニーズに合ったものです。財務情報の信頼性を高めるために、公認会計士は、企業の財務諸表の監査を通じて、重要な役割を果たしています。エンロン事件以来、すっかり面目を失った米国の公認会計士業界ですが、米国公認会計士協会(AICPA)は、情報開示のコンテンツ改善にも積極的に関与してきました。AICPAは、「ビジネスのやり方が顧客志向に変わるなか、企業が提供する情報も「企業」という商品、具体的には、その株式や社債などへの顧客、すなわち投資家志向に変わらなければいけない」と考え、投資や融資に際しての投資家の意思決定に重要な情報とは何かについての調査を1991年に着手しました。
新しいディスクロージャーを支える仕組み
この調査の背景には、企業環境の変化があります。企業の競争が激化し、テクノロジーが高度化するなかで、企業自身も大きく変化しています。企業は生き残りのために組織のあり方や製品開発のやり方、リスク管理の仕組みを変えています。企業とサプライヤーや顧客、さらには、競合他社との関係も変わっています。それに対応して、企業は、情報システムを変え、社内の経営管理において重視する指標も変えています。こうした環境の下で、従来と同じような情報を提供し続けることが、本当に投資家のニーズに応えることになるのかという疑問が、この調査の背景にあります。この調査結果は、1994年に、AICPA Jenkins Reportとして取りまとめられて公表され、その後も、FASB(米国財務会計基準審議会)によるフォローアップ・スタディーが続いています。

次はディスクロージャー制度改革の動き - AICPAの提言についてご紹介します。


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