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ERPコラム

これからの人事機能 〜変革推進者としての役割

奥野 薫
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第4回(全5回)
コア人材の育成ステップ

前回は、コア人材の早期選抜の重要性に関して触れましたが、今回は、ステップに関して見て行きます。

図表1は、コア人材育成の基本モデルを表しています。まずコア人材選抜のための初期母集団があり、そこからコア人材候補者を選抜しプールする、そこから更に最終的なコア人材を選抜し戦略的コアポジションにアサインするという段階的選抜の考え方です。
重要なことは、最終的にある特定人数をコア人材として選抜するにしても、初期母集団は ある程度大きくとっておく必要があるということです。コア人材は、次世代リーダー候補であることは間違いありませんが、その初期母集団は次々世代のリーダー候補であるということを認識すべきです。コア人材選抜というと当初からかなり絞り込んだ選抜をする例がありますが、早期に選抜を開始することは重要であっても、その数を絞りすぎず、リーダー候補者の層をできるだけ厚くもっておくことは将来的な組織力を維持する点で必要不可欠です。

コア人材育成モデル<例>

コア人材は、最初の選抜者の中から順調に育つというわけではなく、常に一定の候補者の入れ替えを行い、ある程度の競争原理を働かせながら育成していく必要が選抜精度の点からも重要です。またこれには、一次選抜に選ばれなかった者のモチベーション管理上の問題もあります。常に人材プールを流動化しておき定期的な入れ替え(敗者復活)を行うことにより、組織全体のモチベーションを維持し、その結果として最終的に優秀なコア人材を選抜することが可能になります。

次に選抜の具体的ステップについてです。(図表2)大きくは、ステップ1「コアポジジョン・人材スペック定義」、ステップ2「初期母集団選抜」、ステップ3「育成プログラム実施」、ステップ4「戦略的アサインとモニタリング」の4段階に区分できます。

コア人材育成の基本ステップ<例>

まずステップ1の「コアポジジョン・人材スペック定義」ですが、ここは、そもそも次世代リーダーたるコア人材を必要とするポジジョンを明確化し、そのポジションに必要な人材スペック・能力・必要経験を明確化するということです。コア人材といっても、部長・事業部長という一般的な上級管理職の役職名をイメージしている場合が多々ありますが、これでは具体的な選抜基準が作れず、精度の高い選抜はできません。ここでは、○○事業部長といった具体的なポジションで考える必要があります。

次にステップ2「初期母集団選抜」ですが、ここでは、まずステップ1に基づいて、初期 母集団をどういった対象から選ぶかということです。年齢・職位・学歴等いくつかの切り口があります。次に初期母集団への選抜方法・基準ですが、一般的には、過去の能力・業績評価履歴あるいはコンピテンシー等の特定アセスメント結果を参考に、事業部門および人事部門が選抜する例が多くなっています。この際、可能であれば過去の評価履歴だけでなくなんらかの能力・適性アセスメントを実施するべきでしょう。それは前回触れたように、ビジネスリーダーとしての能力は、必ずしもその前段階(担当業務レベル)の能力や業績の高さをもって保証されるものではないということが理由です。やはり過去ではなく将来的な(ビジネスリーダーとしての)ポテンシャルに関するアセスメントが必要ということです。

次に第3ステップ「育成プログラム実施」です。ここではまず、候補者に対するキャリアデベロップメントプログラム(CDP)の設計を行います。つぎにCDPの効果測定のためのアセスメント方法・基準の設定、次に具体的なCDPとアセスメント実施です。このアセスメントは、通常の人事評価とは異なるコア人材評価用のアセスメント基準を作ることが必要になります。この段階で初期母集団からコア人材候補者を選抜するわけですが、 コア人材候補として選抜された対象者に関しては、必ず現状のポストよりも高い能力を必要とするストレッチングなポスト(新規事業立上げ,戦略策定等)に異動することが重要です。現状ポストに置いたままだと、その後、最終的なコア人材として選抜する際の判定が出来なくなります。ストレッチポストにアサインしたのち、継続的にコア人材育成プログラムを適用しつつモニタリングとアセスメントをかけながら、その結果によって常に一定数を入れ替えながら、選抜を行っていきます。

最後が第4ステップの「戦略的アサインとモニタリング」になります。この段階までにCDP実施、アセスメント、モニタリングを繰り返しながら、最終的なコア人材候補者を選抜し、コアポジションに“戦略的”にアサインすることになります。
以上が具体的な育成ステップですが、この際、キーサクセスファクターとして重要だと思われる要素がいくつかあります。(図表3)これらを特に意識しながらスキーム設計を行い運用していくことが重要です。

コア人材育成のキーサクセスファクター


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